【今週のお題「最近、初めて〇〇しました」】
おつかれ。
「最近、初めて〇〇しました」
とのことだ。
この話題は、おれ的にタイムリーだ。
というのも、おれは先日、生まれて初めて「日サロ」に行ったからだ。
はっきりいうが、おれは陰キャだ。
だが、「陰キャ」界隈では「陽キャ」として名が通っているので、「陰キャ界の陽キャ」という立ち位置でやらせてもらっている。
陰キャにはよくわかると思うが、陰キャにとって日サロなど、縁のない世界だ。
日サロは「そっち側」が行く場所で、おれたちには関係ない。
多くの陰キャがそう思っているだろう。
しかし、おれは7月にボディ大会に出場すると決めたから、肌も当然焼かなくてはならない。
白いボディビルダーなど見たことがないだろう。
やむを得ず、おれは日サロに行くことにした。
で、先日、おれは早速、電話して予約を取った。
電話の先はぶっきらぼうなおじさんだったが、まあ、とりあえず行くことにした。
場所はあやしげな雑居ビルにあった。
異様な緊張感が走る。
指定された階の扉を開けようとしたが開かない。
ガチャガチャやっていると、奥からゴソゴソ音がして、出てきたのは、
だった。
(正確には松崎しげる「のような」おじさん)
日サロの店員である以上、自分自身も焼くことが使命なのか。
しげるは、電話はぶっきらぼうだったが、実際に会うとめちゃくちゃ気さくで、おれの緊張もやわらいだ。
受付と待合は昭和の雰囲気満載で、レトロな椅子やテーブル、そして往年の歌謡曲が流れている。
おそらく老舗なのだろう。
こういった雰囲気、個人的には大好きだ。
意外にいいところを発見したな、と思った。
ひととおり説明を受け、個室に案内される。
部屋にはデカいマシン1台と、かごが1つある程度でシンプルだった。
しげるはバスタオルと2種類のオイルを置いて出ていった。
おれは服を脱ぎ、しげるにもらったオイルを体に塗る。
その後インターフォンを押すと、マシンから青い光が放たれはじめ、おれはそこに横たわった。
日光浴に近いのか、次第に暑さが増していき、サウナのような感覚もあった。
おれはパンツを履いたままだったから、パンツも汗で濡れてしまった。
制限時間になるとマシンは勝手に止まる。
おれは、自分の荷物一式をもって、今度は隣の部屋に移動。
そこもシャワー室と広めのスペースがあり、制限時間20分でシャワーと着替えをすることになる。
シャワーを浴びたあと、しげるからもらったもう一つのオイルを塗る。
なんか体中がかゆい感じだった。
皮膚は軽度のやけどみたいな感じになっていた。
受付では、しげるが「お茶でいい?」と聞いてきた。
お茶を飲みながら、しげるからビギナー向けの簡単なレクチャーを受け、この日は終了。
サウナのように「ああ!気持ちいい!!」みたいな感覚はなかったが、なんとなく面白い体験ではあった。
しかし翌日、体中がヒリヒリして痛い。
見ると体は真っ赤に染まっていた。
そういえばおれは日焼けすると赤くなるタイプだった。
そしてさらに翌日。
鏡を見ると、おれの体の前面は真っ赤なのにうしろは真っ白のツートンになっている。
往年のびんぼっちゃまくん
を彷彿とさせた。
どうやら日焼けマシンに入っているときは、きちんと裏と表を焼かなければならなかったようだ。
まるで焼き肉のようだ。
いずれにせよ、おれはこうして「陰キャ」界の「陽キャ」としての努めを全うした。
これからしばらく、とりあえず週イチで通い続けようとは思っている。