SATURDAY NIGHT RUN

週末自分磨きおじさん

抗う

 

今週のお題「大人になってから克服したもの」》

 

さて、これまで書いたクズ記事を一掃し、私はまた新しい旅に出ることにした。

突然だが、社会人という生き方はク◯である。

だれだって、本当はもっとやりたいことがあるはずだ。

だけど、生活のため、つまりはカネのため、自分の意思とは沿わないことを受け入れて、やりたくないことをやって、謝りたくもないのに謝って…

そういう毎日を繰り返し、気がつけば人生の折り返しを迎えて、絵に描いたような中年クライシスに陥る。

そういう人は結構多いのではないだろうか。

かく言う私も、一歩間違えれば、いや、まさにいま現在進行形で中年クライシスに陥っているように思う。

だから私はそれに徹底的に抗いたい。

そのために、「やりたくないこと=仕事」以外の残された時間、余力はすべて「遊び」に全振りすることにしている。

こないだは、念願のボディビル大会に出場。

結果は平均点だったが、人生で一度、

「私はボディビルダーです」

って言ってみたかったので、それは成功した。

そしてその後、キックボクシングジムに入会。

子どもの頃から

「私はカラテカです」

って言ってみたかったので、今度はいつか空手とか格闘技の試合に出るために練習中である。

で、それだけではない。

最近は、子どもが興味を持ち出したベイブレードなるコマ遊びに興味津々だ。

私の世代に、こういった遊びはなかったが、私自身は子供の頃、コマが戦うという、闘犬、闘牛、ならぬ「闘コマ」には大変興味をもっていた。

私より上の世代には「ベーゴマ」という遊びがあって、子どもたちはまあ、それに熱狂したそうだ。

残念ながら、私の生まれは東北のド田舎で、かつ、親はそういった遊びとかをどっちかというと推奨しない方だったから、親自身もベーゴマなぞはやったことがなさそうだった。

加えて私の世代は、ファミコンとかスーファミとか、そういったテレビゲーム全盛期だったから、コマみたいなアナログな遊びはあまり流行らなかった。

だが、子供の頃の私はかの「ベーゴマ」に大変な興味を抱いていて、自分より上の世代が、自前のコマでもってしのぎを削っていたことに大変な憧憬を抱いたものである。

ある日、私はガビョウを指先で回すとコマみたいに回ることを発見し、とくにそれに熱狂する仲間もいないので、ガビョウを1人で回しては、かつてのベーゴマのように闘わせて遊ぶということをやっていた。

ガビョウと一口に言っても、実はそれぞれに個性があることを普通の人は知らない。

くるくると激しく動くガビョウもあれば、一点で安定して回るのもある。

闘わせて強いのは、圧倒的に後者だった。

私は一時期、休み時間に、学校の掲示板付近においてあるガビョウ入れを勝手に持ち出しては、ひとつひとつ回して「強い」ガビョウを探すことに余念がなかった。

客観的に見れば明らかに「変なやつ」だったが、休み時間の私の行動になどだれも関心など持つはずもなく、まあ、それはそれで楽しい時間に浸っていた。

さて、そんな時代を過ごし、成人し、自分にも子どもができてのち、ベイブレードなる新世代の「ベーゴマ」に出会えるとはなんたる僥倖!

しかも、大人となった今、財力は子ども当時の比ではない。

大人の財力をフル活用し、ベイブレード爆買い。

ある意味、私はこの日を待っていたのかもしれない。

しかも、ベイブレードはベーゴマから相当の進化を遂げており、色々な必殺技やフィニッシュパターンがある。

「大の大人がなにをやっているのだ」

と呆れる面々もいるだろうが、そんなことを気にしていては楽しい人生など送れるはずがない。

「スリー、ツー、ワン、ゴー・シュー!」

私は今日も、子どもたち以上に熱狂しながらコマを回している。